かんごノート by logical nurse

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胸腔ドレーン看護管理⑹ドレーン抜去の目安と抜去時の看護【抜去時期・ドレーン抜去】

2018/1/16 更新:2018/6/25

 

本日は、看護師がチェックすべき9項目の8〜9の最終回になります。

8.抜去時期と抜去

胸腔ドレーンの仕組みや観察ポイントをおさえ、トラブルなどのリスクマネージメントをしながら順調に経過すると、ようやくゴールラインに近い抜去時期がやってきますね。ただ、抜いたら「はい、終わり〜」とならないよう最後まで観察はしていきましょう。また、抜去の際も胸腔ドレーンの仕組みやチェストドレーンバッグの構造を理解していることはとても大切です。

 

↓胸腔ドレーンの仕組みのおさらいはコチラ

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↓観察ポイントのおさらいはコチラ

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↓抜去時ならぬバッグ交換はトラブル時の対応でチェック

 

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↓ドレーン抜去前のウォーターシールの管理はコレ 

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ドレーン抜去の時期

基本的には、「エアリークが消失したり胸水がなくなったり、原疾患が治癒したとき」ですね。

〈エアリークの場合〉

エアリークが消失し半日以上ドレーンをクランプ後、胸部X線撮影を行い肺拡張及び気胸の再発がないかを確認し、抜去となります。

〈胸水の場合〉

排液が血性(血胸)や膿性(膿胸)である場合を除き、200ml/日以下(4ml/Kg/日)程度が目安となり、抜去となることが多いです。

 

ドレーン抜去

抜去については、医師が行いますので看護師は介助が主となります。清潔操作で行いましょう。

固定糸を外し、息こらえを行なってもらいながら素早く抜去します。抜去部をしっかりと押さえてから縫合を行ったり、先に縫合糸をかけておき抜くと同時に縫合する。または、縫合せずにカラヤなどのドレッシング材での固定のみなど医師により手技は様々です。息こらえについても吸気時か呼気時かなんて賛否両論あるようですね。

とにかく「空気が流入しないように!」これが一番のポイントとなります。処置開始前に必要なものを準備して、介助を行えるとスムーズで良いですね。

 

9.ドレーン抜去後の観察

ドレーン抜去後、翌朝までもしくは24時間以内には再度、胸部X線撮影の指示が出ると思います。

抜去後に、気胸や胸水の再発がないかを確認するためです。そのため、抜去したら終わりではなく、適宜バイタルサイン呼吸状態などの観察抜去部の観察を行います。

また、胸腔内のエアが押し出され軽度の皮下気腫が見られる場合がありますが、マーキングして拡大がないかをチェックしておきましょう。胸部X線撮影での肺拡張に問題がなければ経過観察となることが多いです。

 

いかがでしたか?
胸腔ドレーン看護師がチェックすべき9項目、6回にわたり細かい部分もありましたが概ね自信をもって看護できる知識とスキルが身についたのではないでしょうか?

おとーふ自身も再確認できたところもありました。

ひきつづき、マイペースに更新していきます。それではー。