ドレーン看護管理まずはここを理解しよう!①ドレーンとはドレナージとは意味と目的
2017/10/11
《ドレーン・ドレナージ看護管理》
急性期や緊急時、術後などで目にすることが多いドレーン・ドレナージ管理について。
スタッフからの質問も多く、分かっているようで意外とトラブルの多いものの一つです。
また体内に留置しているため、管理不足が患者さんの状態変化に直結することも多いので正しい知識を持って管理をしなければなりません。
いい機会ですので、今一度見直していきたいと思います。
Q.そもそもドレーンって?
A.ドレーンとは・・・体内に貯留した血液や体液、膿汁、気体などを体外に排出するために使用するカテーテル(管)のことをドレーンまたはドレーンチューブと言います。
Q.ドレナージってなぁに?
A.ドレナージとは・・・体内に貯留した血液や体液、膿汁、気体などを体外に誘導排出させることをドレナージと言います。
例えば・・おとーふの体にドレーンを留置します。すると内部で溜まった豆乳がドレナージされる・・・かもしれません。
超簡易化してしまえばこーゆうことになります。
なんて冗談はさておき・・続けます。
Q.何のためにドレナージするの?
何のためにドレナージするのか、その目的によって3つに分類されています。
①治療的ドレナージ
体内に貯留した血液や滲出液、空気などを排液・減圧するなどの治療を促すことを目的としたドレナージ。(洗浄や薬剤注入を兼ねる場合もあります。)
【適応となるドレナージ】
・硬膜外、硬膜下、脳室ドレナージ:頭蓋内血腫
・胸腔ドレナージ:気胸・胸水・血胸
・心嚢ドレナージ:心タンポナーデ
・腹腔ドレナージ:腹膜炎
・胆管ドレナージ:閉塞性黄疸
など
②予防的ドレナージ
術後出血や滲出液・消化液などによる縫合術後の感染予防や予防的減圧を目的としたドレナージ。
【適応となるドレナージ】
・硬膜外、脳室ドレナージ
・胸腔ドレナージ
・腹腔ドレナージ(モリソンやダグラス窩など低位置で貯留しやすい部分)
・胆管、膵管ドレナージ
・消化管吻合部・切離部ドレナージ
・経鼻胃管ドレナージ
など
【患者側の適応因子としては】
創傷の治癒が遅延・障害される状態であるとき
・糖尿病、肝硬変などからくる抹消循環・神経障害や低栄養状態、長期ステロイド投与を行なっている場合など
③情報的ドレナージ
術後出血や滲出液の貯留、縫合不全などの異常を早期発見する目的のドレナージ。予防的ドレナージにも含まれ、線引きは曖昧。
ドレナージと一言に言えど、種類や管理も様々です。
重大な死亡事故へと繋がるような医療事故となることもあります。
リスクマネジメントがかなり重要!となります。
「知らないままなんとなく見ていた。」なんてことは絶対にあってはなりません!
患者さんのためにも、自分のためにも理解に努めていきましょうね。
ドレナージについては、実際に新人ナースがよくぶつかる疑問も多く、また経験のあるナースもよくわかっていないけど・・いまさら聞きづらい・・・。
なんて場面もよく目にしますので、一つの知る術としてここで情報共有できていければいいなと思っています。